食べログなどで、お蕎麦屋の口コミを見てみると「ここのおそばは細打ちで~」などといったコメントが見られる。そしてお蕎麦屋自ら、『太打ち』もしくは『細打ち』と銘打っていることもある。さらには、太打ちと細打ちの両方を食べ比べられるサービスを行っているおそば屋も少なくない。では、お蕎麦の『太打ち』と『細打ち』の基準はなんだろうか。
実は、おそばの『太打ち』と『細打ち』は、感覚的なものとされている。食べた人、もしくはソバ屋の店主が『太打ち』と思えば『太打ち』であり、『細打ち』と思えば『細打ち』なのである。
しかし、江戸前には基準があったとされる。その基準とは、おそばの生地一寸(3.03cm)を、23本に切ること。23本に切ると、お蕎麦一本あたりの太さは約1.3mm。この23本、1.3mmが“基準”となるのである。例えばおそばの生地一寸を40~50本に切ると、一本の太さは約0.6mm。0.6mmのお蕎麦は『細打ち』と呼ばれた。さらに一寸を60本に切ると、一本の太さは0.5mm。0.5mmのお蕎麦は、『極細打ち』である。
一方、23本よりも少ない数で切ったものが『太打ち』となった。細かな決まりがあったかどうかは定かでないが、中には割り箸のように太い、太打ちのお蕎麦を出すお店もあったそう。まるでうどんのようなお蕎麦である。
ということで、現代において、おそばの『太打ち』『細打ち』に決まりはない。歯ごたえやのど越しなど、それぞれにいいところがあり、好みやその時の気分によって楽しみたい。