麻布十番、暗闇坂夜8時。おしゃれなお店で顧客としっぽりと。
蕎麦だけでなく、割烹や小料理のお店。お上品ではあるものの、量もある。多分、オヤジの独り蕎麦よりは、接待やデート向きのゆっくりできるお店・・・。
1.港区三田について
今日の顧客との大切な時間は、おしゃれなお店で。
さて、今宵はオヤジの独りそば街道は一旦お休みして、顧客と至極のお蕎麦をたしなみに、麻布十番界隈のお蕎麦屋へ。
今日のお店は、麻布十番駅から徒歩10分ほどのところ。港区三田にそのお蕎麦屋はある。
三田と言えば、江戸時代には大名屋敷や御家人の家々が並んだ格式ある土地。今でも、慶応義塾大学をはじめとした系列の学校、イタリアやオーストラリアなど各国の大使館のある、文化的な場所となっている。
特に、慶応義塾大学の卒業生は、同窓会組織を『三田会』と呼んでおり、『三田』への愛着が感じられる。
そんな格式高い街にあるそば屋が、『蕎麦切 宮下』。
『蕎麦切 宮下』は、上品な和食を楽しめる割烹『暗闇坂 宮下』の系列店で、2012年9月、三田にお蕎麦の専門店として、オープンした。
2.『蕎麦切 宮下』について
『蕎麦切 宮下』が所属する『株式会社 暗闇坂宮下』は、1995年、麻布の『暗闇坂 宮下』から始まった。以来、青山、神楽にも店舗を構え、さらには『神楽坂和食処』として、『おいしんぼ』や『久露葉亭』などの飲食店を展開している。
いずれの店舗も、高級感のある落ち着いたお店。『株式会社 暗闇坂宮下』は、出店する場所の歴史やイメージに合わせて、一流建築家にデザインを依頼するなど、徹底した店づくりを行っている。
そんな名店がそろう『株式会社 暗闇坂宮下』系列店の中で、唯一、お蕎麦を専門とするのが『蕎麦切 宮下』。
『蕎麦切 宮下』もまた、かつて清閑な屋敷街であったであろう三田の雰囲気を大切に、上品な佇まいで鎮座している。
『蕎麦切 宮下』は、『麻布十番』駅から歩いて10分ほどのところにある。最寄駅は、都営大江戸線の『赤羽橋駅』。
『蕎麦切 宮下』は、『赤羽橋駅』から南に進んだところ、ちょうど『都立三田高校』と『慶應義塾大学』の間あたりに位置する。目の前には在日イタリア大使館。
『蕎麦切 宮下』の外観は特徴的。
お城の石垣を思わせる重厚な壁に、ポカリと開いた穴。その穴の上部から、真っ白な暖簾が垂れ下がる。裾には『蕎麦切 宮下』の文字。夜には暖簾の裏からライトで照らされて、とても雰囲気がいい。
暖簾をくぐり、店内に入るとこれまた想像以上におしゃれ。『和風モダン』という言葉が似合う内装は、ほどよく落とした照明で、心が安らぐ。
意外にも開けた店内は、椅子に背もたれがないせいもあってか、とてもスッキリとして見える。このほか個室が3室に、カウンター席が8席の合計54席。営業時間は、11時30分~14時と、17時~22時。土日祝日は11時30分~21時まで。
3.『蕎麦切 宮下』のおそばは
いやがおうにも期待してしまうお蕎麦が大好きな私は、顧客の手前、心を落ち着けて席に着く。
豊富なメニューに目移りしそうになるが、オヤジはだまって『せいろ』。
せいろを食べずして、ソバ好きは語れない。そして、仕事の一環だし、日本酒も。。。全国独りそばふりーくのみんなも、たまにはお酒と一緒にお蕎麦を楽しもう!
私はお蕎麦を待つ間、しばし顧客との会話を楽しむ。ソバ屋は、高級店でも隣との席が近く、落ち着いてゆっくり会話を楽しめないことも少なくない。しかし、『蕎麦切 宮下』は、ひとつひとつのテーブルがゆったりと配置されているため、落ち着いて話すことができる。
10分ほどしたところで、本命のお蕎麦が運ばれてきた。おそばの色は濃い目で、ところどころに蕎麦がらも見える。
職人による手打ちらしいが、味はいかほどに。。。
これは、すごいコシ。ソバ好きオヤジのソバ道中でも、イチ、ニを争う硬さ!そしてそば麺の硬さからうまれるのど越し。クセになりそう!
お蕎麦は二八で、香りは強くはないが、上品だが量もあり、この雰囲気でこの味と値段ならばコストパフォーマンスもよい。
つゆは濃く、ググっと辛め。硬めの蕎麦麺が、なお引き締まって感じられる。
二八蕎麦と言うと、十割と違って小麦のつなぎが入っているから、高級感に欠けると思う人もいるかもしれないが、必ずしもそうではない。
実は、栄養価の面では、小麦粉が入っているからこその恩恵もある。
例えば、必須アミノ酸のひとつである『メチオニン』。必須アミノ酸は、ヒトの体内で合成できないので食物から摂るしかない。小麦粉は穀物の中でも、メチオニンの含有量がダントツで、そば打ちによく使われる『中力粉(1等)』100gあたり、160mg含まれる。
これは栄養価の高い食べ物として有名な玄米の170mgに匹敵する。
メチオニンは、血中のコレステロール値を下げる作用のほか、活性酸素も取り除くとされており、今注目されている成分である。
つなぎの小麦粉を入れて、むしろ栄養価が高くなるお蕎麦はやっぱりすごい!
4.『蕎麦切 宮下』の個人的なまとめ
『蕎麦切 宮下』は、外観、内装ともにこだわりの感じられるお上品なお店。
元々は割烹のお店だけあって、お蕎麦だけでなく、お酒や料理も充実している。お蕎麦はガッシリと硬めで、のど越しがよい。お店の雰囲気とお蕎麦のレベル、量を考えると、食べログの評価『3.51』も納得。
ただ、宮下はオヤジの独りそばというよりは、格式が高く、接待やデート向きのお店。おしゃれなお店で顧客とゆっくり、しっぽりいきたいときにおすすめ。