毎日仕事でストレス…上がるのは給料じゃなくて血圧。そんな思いをぶつけるかの如く、お酒で解消!飲み過ぎて疲れた体で出勤してまたストレス…残念なルーティーンを送っているビジネスマンは、少なくないはず。断ち切れるものなら、この悪循環を断ち切りたい。しかし毎日の仕事をこなすのがやっと…そんなビジネスマンに朗報がある。
たったひとつの食べ物で、しかも毎日手軽に食べられる食べ物で、悪循環から抜け出せるかもしれない。その食べ物とは、お蕎麦!すでにおそばを食べることが習慣化しているビジネスマンも、これを聞けば一層おそばへの意識が高まること間違いなし。
1.ストレス、高血圧、お酒の飲みすぎ…3つに関係するある成分とは
ストレスやお酒の飲み過ぎは、体に様々な影響を与えるのはすでによく知られた話。そして、ストレスによって血圧が上がるのも有名な話。では、ストレスやお酒の飲みすぎ、高血圧に共通して関係する成分があるとしたら?
その成分とはミネラルの一種『カリウム』。カルシウムや鉄分に比べると馴染みの薄い成分かもしれないが、カリウムも人間の生命維持活動にとっては欠かすことのできない存在。カリウムが不足すると、様々な不調の原因になると言われている。
2.カリウムの役割とは?
カリウムの役割はたくさんあるが、主な役割のひとつがナトリウムとともに、細胞内外の水分や物質量をコントロールすること。それにより、細胞内液の浸透圧が一定になる。ここの部分だけピックアップすると難しい話に感じられるが、大きな話でいうとカリウムの働きにより、心臓や筋肉、血圧までが調節されている。
カリウムは体重1kgにつき、およそ2gが必要。普通の体格の成人男性なら150gくらい必要ということになる。もしカリウムが足りなくなると、筋力の低下や脱力感、めまい、イライラ、嘔吐、知覚の低下といった症状が出てくる。さらにひどくなると、不整脈や呼吸困難、腎炎、腸閉塞などかなり怖い状態を引き起こす。高血圧もその一つ。
3.カリウム不足が高血圧の原因となるわけ
カリウムはナトリウムとともに、細胞内外の水分や物質量をコントロールするが、ナトリウムの量を調節しているのもカリウム。カリウムは、細胞内のナトリウムを排出することで、血圧を下げる。
つまりカリウムが不足すると、ナトリウムを輩出できなくなり高血圧になる。よって、高血圧を改善するためには、ナトリウムが含まれる塩分の多い食事を避けること。そして、カリウムの摂取量を増やすことが大切ということになる。
ちなみに、ストレスやお酒の飲み過ぎは、カリウム不足を招くので、結果的に高血圧の一因と言えるだろう。
4.お蕎麦でカリウムを効率よく摂取
健康を維持するには、男性で1日あたり2500mgほどのカリウム摂取が推奨されている。高血圧の予防のためには3500mgという。100gあたりにカリウムが多く含まれる食品としては、納豆(660mg)、ほうれん草(490mg)、焼きアジ(490mg)、豆腐(90mg)などなど。
これに対してゆで蕎麦には34mgのカリウムが含まれている。こう聞くと、お蕎麦のカリウム含有量は少ないと思われるかもしれないが、主食として100g以上を簡単に食べられる食品として、おそばはかなり優秀な部類に入る。同じ麺類のゆでうどんの場合、含有量は9mg、精白米でも29mgと軍配はおそばに。
さらに注目すべきポイントは、おそばの食べ方。カリウムは非常にデリケートなミネラルで、洗う、茹でる、焼くなどするとかなりの量が失われてしまう。お蕎麦も茹でると3割ほどのカリウムが流れてしまうが、おそばの場合、蕎麦湯を飲むという習慣がある。
そもそも茹でる前のソバ粉には410mgものカリウムが含まれるので、蕎麦湯にはゆで蕎麦よりも多くのカリウムが溶け込んでいると考えられる。よってお蕎麦は、自然にたくさんのカリウムを摂取できる食品と言えよう。
まとめ
カリウムは生命維持に欠かせないミネラルで、不足すると筋力の低下や脱力感、めまい、イライラなどを引き起こす原因となる。さらに不整脈や呼吸困難など重篤な症状に繋がることもあるので侮ってはいけない。
カリウムは加熱や水によって失われやすい成分のため、お蕎麦と蕎麦湯で効率よく摂取するのがおすすめ。お蕎麦で、ストレスや高血圧、お酒による負のスパイラルを断ち切ろう。