お蕎麦屋さんの多くで提供されるそば湯。おそば屋さんであれば、大抵のお店が提供してくれる。お蕎麦そのものはもちろんのこと、この蕎麦湯を楽しみにしているソバ好きは決して少なくないはず。そんな蕎麦好きが知っておきたいそば湯についてまとめてみよう。
1.そば湯とは?
お蕎麦好きに失礼かもしれないが、そもそもそば湯とは何か、念のために押さえておきたい。そば湯とは、「ソバの茹で汁」のこと。敢えて成分を言うならば、『お湯』と『溶け出したおそば』である。溶け出したお蕎麦によって、少しトロミがあるのが特徴。
しかし、最近は流行りなのか、茹で汁にソバ粉を加えてトロトロのそば湯にして提供するそば屋が多い。また茹で汁ではなく、ソバ粉を溶いたお湯を提供するそば屋もあるよう。
2.そば湯のはじまり
そば湯は、元々、そば処信州で始まった風習とされる。信州では、お腹の調子を整える際に、そば湯を飲んだそう。やがてその風習が江戸でも広まり、蕎麦湯を飲む習慣が定着したのだとか。ちなみに、それまではおそばを食べた後、江戸ではお味噌汁を飲んでいたそう。
なお、お腹の調子を整える目的で蕎麦湯を飲むのは非常に理にかなっている。その根拠のひとつが、デンプン。おそばをはじめとして穀類にはデンプンが含まれているが、中でもお蕎麦のデンプンは消化吸収が早い。そのため胃腸への負担が少ないのである。疲れて胃腸の調子が良くない時や、二日酔いの日などにおそばを食べたくなってしまうのは、本能的な行動なのかもしれない。
参照:https://www.kaga-seifun.com/
3.そば湯の飲み方は主に2つ
そば湯の飲み方に絶対的なルールはないが、一般的には2つの飲み方に分かれる。
一つは、お蕎麦を食べた後に残ったそばつゆに、蕎麦湯を入れる飲み方。お蕎麦屋こだわりのつゆも美味しくいただけるし、ソバ麺を付けて食べるのとはまたちょっと違う味わいを楽しめる。残った薬味を入れてみたり、蕎麦湯の量を調節してみたり、好みに応じて追求できるのもいい。
ただし、健康のためにおそばを食べているオヤジは気を付けたいところ。やはりそばつゆには多くの塩分が含まれる。お店によっては糖分が多いところもあるだろう。いくらお蕎麦が健康食と言っても、そばつゆを飲み干してしまってはさすがに分が悪い。健康のためには、そばつゆのそば湯割りは、ほどほどにしておくのがよさそう。
二つ目の飲み方は、シンプルにそのまま蕎麦湯をいただくこと。始めは抵抗があるかもしれないが、慣れるとこれがまたたまらない。そして旨い蕎麦屋は、蕎麦湯も旨い。おそばの風味がそのまま溶け込み、トロッとしたそば湯が、ゆったりと体の奥深くまでしみ込んでいく。冷たいおそばを食べた後なら、気持ちのいいほどに体が優しく温められていく。不思議と心は落ち着き、一瞬、時の流れが止まるよう。忙しい時こそ、最後に蕎麦湯を飲んで、疲れた心と体を癒してあげたい。
まとめ
お蕎麦の魅力を存分に味わいたいなら、そば湯まで飲むのがおすすめ。特に健康が気になるオヤジは、そのまま蕎麦湯を飲むのがいい。なお、お店の方から蕎麦湯を提供されない場合は、こちらから声をかけてみるのもあり。ちなみに、蕎麦湯を入れている容器は『湯桶(ゆとう)』という。
今日から蕎麦湯までじっくり楽しみたい。