ご飯、パン、うどん、ラーメン。手頃な価格で、お腹もいっぱいになる主食は、炭水化物に分類される。炭水化物は体内でブドウ糖に分解されて、エネルギーとして使われるなど、私たちに欠かせない栄養成分。
一方で、炭水化物を摂りすぎると太りやすくなることも知られており、近年は『炭水化物抜きダイエット』なども流行中。しかし、「蕎麦はOK」としているものも多い。
蕎麦は炭水化物ではないのか? 食品栄養学面から詳しく解説する。
1 炭水化物とは?
炭水化物と言うと、主食をイメージするが、『糖質』と『食物繊維』を炭水化物と言う。
糖質は体のエネルギー源になる。脂肪もエネルギー源になるが、糖質に比べてエネルギーになるまでに時間がかかるため、脂肪だけで毎日のエネルギーを補うことはできない。そのため、糖質は毎日適量摂る必要がある。
食物繊維にはいわゆる“栄養成分”といったものは含まれないが、よく知られているように整腸作用があり、不足すると体に様々な不調をもたらす。日本人は全体的に食物繊維が不足しがちとされる。
2 炭水化物はどのようなものに含まれる?
炭水化物のうち、糖質は砂糖や果物などに多く含まれているが、それらには食物繊維が含まれていないことも多い。
一方で、ご飯やパン、麺類などいわゆる“主食”と呼ばれるものには、糖質も食物繊維も含まれているので、これらを一般的に炭水化物と言う。海外では主食として食べられることも多いイモ類も、炭水化物に数えられる。
3 蕎麦は炭水化物か?
蕎麦が炭水化物かどうかを判断するには、糖質と食物繊維の含有量を調べれば良いことになる。そこで、文部科学省「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」を確認したところ、糖質も食物繊維も含まれ、100g中に含まれる炭水化物量がとても高い食品であることがわかった。
以下に、蕎麦、米、小麦、イモの、100gあたりに含まれる炭水化物量(g)とそのうちの食物繊維量(g)を記載する。
穀類|炭水化物量|うち食物繊維量
ソバ粉(全層粉)|69.6|4.3
精白米|37.1|0.3
小麦粉(中力1等)|75.1|2.8
じゃがいも(生)|17.6|1.3
食品成分表のデータを見てもわかるように、蕎麦には糖質と食物繊維が豊富に含まれている。むしろ構成成分の68.2%が、糖質と食物繊維であり、このことからも蕎麦は炭水化物であると言える。
まとめ
炭水化物とは『糖質』と『食物繊維』を指す。食品成分表のデータから、蕎麦は炭水化物である。炭水化物の摂り過ぎは太ったり、眠気を催す原因となるため、摂り方には注意が必要。