あなたは、蕎麦に七味唐辛子をかけますか。蕎麦屋さんへ行くと、各種調味料と一緒に七味唐辛子が置いてありますよね。始めはかけずに食べて、中盤から七味唐辛子をかけると味が変わって2度楽しめたり、食欲のないときには食欲を増進してくれたり、単に辛い物が大好きだったりと、七味唐辛子をかける理由は様々でしょう。
本記事では、七味唐辛子の特性や、蕎麦と七味の健康効果などについて解説します。
とうがらしの特性は?
漢方の親元である中国では、唐辛子を食べることで体の中の湿気を追い出して健康を保ってきたという歴史があります。現在でも、漢方の世界では、唐辛子に『食欲不振の改善、高血糖、肥満の予防、発汗作用、心臓の動きを強める』などの効果があるとされています。
唐辛子はその漢字からも分かる通り、元々は『唐(中国)』から伝わった薬味です。薬味は少量しか口にしませんが、ビタミンAやビタミンCを含むため夏バテ予防に良い香辛料としても愛されています。
七味唐辛子の人気は蕎麦があったからこそ?
唐辛子といえば、何を思い浮かべますか。炒め物に輪切りにして入れる『鷹の爪』、薬味としてふりかける『七味』や『一味』などでしょうか。蕎麦と一緒に食べるとしたら、七味唐辛子をかけることがメジャーでしょう。
実は、七味唐辛子がこんなにも人気になったのは、蕎麦のお陰と言っても過言ではありません。七味唐辛子は、1625年、江戸時代に日本へやってきました。江戸時代に庶民の間で広く愛されていた蕎麦との相性が良いということで、七味唐辛子は爆発的に人気になるのです。七味唐辛子には文字の通り7種類の薬味が入っています。この7つが風邪に効く漢方であったことも、江戸時代に七味唐辛子が広まった理由とされています。
蕎麦のルチン×唐辛子のカプサイシンの健康効果は?
蕎麦にはポリフェノールの一種であるルチンが含まれています。ルチンには、出血性疾患の予防、糖尿病予防、生活習慣病予防、認知症予防などの効果が分かっています。糖尿病予防効果については、ルチンがインシュリンを出している膵臓に働きかけ、インシュリンの分泌を促すため糖尿病を予防できると報告されています。
唐辛子に含まれるカプサイシンついて分かっているのは、肥満予防、血流改善、高血圧予防、冷え性の予防、食欲増進、疲労回復などへの効果です。また、コレステロール値の上昇を抑える効果があります。糖尿病はコレステロールや中性脂肪が高いことも原因の一つとされているので、カプサイシンは糖尿病や生活習慣病に対する予防効果があると言えるでしょう。
ルチンやカプサイシンは相乗的に働くわけではありませんが、血糖値が気になる人や生活習慣を予防したいと思っている人にとっては魅力的な組み合わせです。蕎麦を食べるときは、七味唐辛子をかけた方が良いでしょう。
かけすぎはNG?七味唐辛子の注意点
蕎麦に七味唐辛子をかけるとき、かけすぎには注意しましょう。七味唐辛子に含まれるカプサイシンは健康に良い効果もありますが、食べすぎると胃腸に負担がかかってしまいます。特に小さい子供や胃腸が弱い人は注意が必要で、消化器系の疾患を持っている人は食べないようにしましょう。
蕎麦には程よく七味唐辛子をかけよう!蕎麦に負けない健康成分!
七味唐辛子には、生活習慣病の予防や発汗作用のあるカプサイシンが含まれています。蕎麦のルチンが健康に良いように、七味唐辛子のカプサイシンも私たちの健康をサポートしてくれます。ぜひ、蕎麦を食べる際には七味唐辛子をかけてみてくださいね。温かい蕎麦にかけたら美味しいのはもちろん、冷たい蕎麦にかけても美味しく食べられますよ。
(参考)
http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~maruho/2d-01sitimitougarasi.html
書籍:薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帖
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/rutin/