お蕎麦に薬味は欠かせない。薬味御三家ネギ、大根おろし、七味唐辛子に、わさび、ごま、生姜などなど。薬味の優れているところは、単体だけでなくお蕎麦と一緒に食べると栄養面で互いの良い部分を引き出すことである。
本記事では、お蕎麦と一緒に食べることでパワーアップする薬味の栄養素に注目したい。
⒈お蕎麦×ネギ=体を温める
「風邪を引いたらネギを首に巻く」と言い伝えがあるように、ネギは昔から健康を支える食品として扱われてきた。
中でも注目したいネギの栄養素は硫化アリル。ツーンとした特有の香りが特徴の硫化アリルは、ビタミンB1の働きを高めることで知られている。
ビタミンB1は体の様々な代謝に使われており、内臓の働きや血流を良くしたり、体を温めたりしてくれる。
お蕎麦は穀物類でビタミンB1の含有量が多いが、ネギと一緒に食べることでそのパワーが増すということだ。なお、ネギの栄養的なプラス面を活かすなら生がおすすめ。鴨南蛮そばもうまいが、ツーンとくる生のネギも楽しみたい。
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⒉お蕎麦×大根=消化を良くする
ピリッとした辛さが食欲をそそる大根。大根に含まれるジアスターゼという酵素は、消化を良くする特徴を持つ。
お蕎麦も消化に良い食べ物の一つではあるが、大根と一緒に食べることでますます消化が助けられる。さっぱりとした口当たりも手伝って、食欲がない時にもぴったりである。
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⒊お蕎麦×七味唐辛子=食欲増進
七味唐辛子は七つの香辛料からなるが、最も配合量が多いのが唐辛子。唐辛子で注目したい成分はカプサイシン。一時期、ダイエット成分として注目を浴びたカプサイシンは、体を温めたり食欲を増進させる働きを持つ。
またカプサイシンはビタミンAやビタミンEを多く含んでいる。これがポイントで、実は栄養素が豊富と言われるお蕎麦も、ビタミンAとEの含有量はそれほど多くない。
つまりお蕎麦と七味唐辛子を併せて食べることで、ビタミン類をバランスよく摂取できるというわけ。大量に食べられるものではないが、体のためにも七味唐辛子を活用したい。
⒋お蕎麦×わさび=お肌ツルツル
鼻に抜ける爽快感が癖になるわさびも、お蕎麦の薬味としてもはや欠かせない。わさびには毒消しや食欲増進などの効果が知られているが、ビタミンB2の働きを良くする特徴がある。
ビタミンB2は肌や粘膜を良い状態に保つのに必要な成分だが、お蕎麦にも含まれている。わさびと一緒に食べることで、パワーをいかんなく発揮できるのだ。ただしわさびを大量に食べるとあまりその効果を期待できないので、くれぐれも罰ゲームのようにわさびをてんこ盛りにすることのないように・・・
⒌お蕎麦×ごま=若々しい毎日に
アンチエイジング食品として話題のごまには、ビタミンB類やカルシウム、鉄分などが含まれている。小さいがとってもパワフルな食材なのだ。
そこで注目したいのがカルシウムや鉄分。これらの成分はお蕎麦に含まれるものの、他の穀物と比べて特別に含有量が高いものではない。特にカルシウムは、うどんとほぼ同じ含有量だ。だからごまと併せて食べるとバランスがいい。
そうそう、最近イライラしちゃってるな、フラフラするな、なんて時はお蕎麦にごまをたっぷり入れて食べるのも良いかもしれない。
⒍お蕎麦×生姜=元気な体の維持
言わずと知れた健康食品、生姜。生姜湯などだけでなく、最近は横文字ジンジャーとして、おしゃれなカフェなどで取り扱われることも多い。
生姜は食べた直後から体がポカポカしてくるのがわかるくらい、血流を良くしてくれる。体の元気を中から支えてくれる食品、ジンジャー。お蕎麦の栄養素を全身隅々にまで運んでくれるだろう。
まとめ
まさに『“薬”味』の名にふさわしい働きを持つ、お蕎麦の薬味たち。本来、栄養成分をたっぷりと含んでいるお蕎麦の足りない部分を補ったり、併せてパワーアップさせてくれる。
香りや味を楽しむのはもちろんのこと、お蕎麦と併せることで生まれる相乗効果に期待しながら、美味しくいただきたい。