お蕎麦に付いてくる薬味の代表とも言えるのがネギ。冷たいお蕎麦にしても、温かいお蕎麦にしても、そして高級店にしてもリーズナブルなチェーン店にしても、大抵はネギが薬味として付いてくる。
江戸蕎麦に付いてくるのは『根深葱(ねぶかねぎ)』と言う。あまり聞きなれない言葉だが、白ネギとは別物なのだろうか。
⒈根深葱と白ネギは同じ物
根深葱と白ネギは同じ物を表す。ネギは主に2種類に分けられ、青ネギに対するのが白ネギとなる。
ただこの白ネギ、別の名前で呼ばれることが非常に多い。身近なものだけでも、長ネギ、太ネギ、根深ネギなどなど。元々、東京近郊が産地であったことから、関東ネギや東京ネギとも呼ばれる。
また柔らかい葉でできた青ネギも、葉ネギという名も持っている。
こうした名前の多さから混同されてしまいがちだが、とどのつまり白いネギと青いネギの2種類があり、お蕎麦の薬味は白ネギ(根深ネギ)なのである。
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⒉根深ネギの名前の秘密
根深ネギの名は、栽培方法に秘密がある。ネギの葉鞘(ようしょう・茎を包んだ葉の部分)に土をかけて育てたもの。土により日光に当たらないので、緑色にならずに白く育つ。土をしっかりかけて、白と緑の境目がはっきりしているネギほど良品とされる。
『根深』という名前と、土の下に埋まっていることから、お蕎麦の薬味として食べられる白い部分は根と思うかもしれないが、先に説明したようにれっきとした葉の部分。根は葉鞘の先に、きちんと生えている。(もちろん、薬味として提供されることはないが・・・)
まとめ
江戸蕎麦の薬味として用いられるネギは根深葱、別名、白ネギや長ネギと呼ばれる物。根深という名前から根っこの部分かと思いきや、葉鞘という茎を包んだ葉である。
根深葱は元々、関東が産地であったため江戸蕎麦の薬味に使われることが多い。つまり関東以西では青ネギが出てくる可能性もあるということだ。
関東以外の地でお蕎麦を食べる機会があったら、薬味、とりわけその代表格であるネギに注目してみるのも面白いかもしれない。