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そばは、一般的にそば粉にしてから、ソバ切りや蕎麦がきなど各種料理に使われるが、蕎麦の実をそのまま使う珍しい料理がある。それが『そば米雑炊』である。白米とは違って弾力があり、プチプチとした食感が特徴。
1.そば米雑炊とは
そば米(ごめ)雑炊とは、『そば米』を使った料理。そば米とは、そばの実を塩茹でし、皮をとったもの。乾燥してから使う。お米で言えば、玄米から皮や胚芽などを取り除いて、白米にしたものと言える。
基本的にそばは、そばの実の皮を取り除き、ソバ粉にして様々な料理に使うため、そば米雑炊は全国的にも珍しい食べ方とされる。具材には、ニンジンやゴボウ、しいたけ、ネギ、豆腐、鶏肉などが用いられる。
2.そば米雑炊誕生の歴史
時は1000年ほどさかのぼった1185年。6年にもわたる内乱『治承・寿永の乱』、通称『源平合戦』は、源氏の勝利に終わった。敗走した平家の落人が隠れ住んだ場所のひとつが、徳島県の祖谷(いや)地方。
平家の落人たちは、祖谷でひっそりと生活することになるが、祖谷は稲作に適さない場所だった。そこで、こうした場所でも育ち、さらに米よりも短い期間で収穫できるソバを栽培した。収穫したソバは主食として、雑炊や団子などにして食べながら、都をしのんだという。
それからおよそ1000年。徳島県の祖谷地方は、今でも全国有数のそばの産地として知られ、そば米雑炊は郷土料理の一つとして残っている。
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3.そば米雑炊の作り方
そば米雑炊を作るには、当然ながらそば米。そしてニンジンやゴボウ、しいたけ、鶏肉といった具材を用意する。具材については、お店や家庭によって違いがあり、ちくわやレンコン、三つ葉などを入れるところもある。
そばの実から作る方法もあるが、手間がかかるので、手に入るならそば米から作ってよいだろう。最近ではネットで購入することができる。
まず、昆布を水に浸して出汁をとっておく。その間に、そば米は水でさっと洗って、沸騰したお湯へ。5分ほどしたらザルにあげて置いておく。野菜はそれぞれ食べやすい大きさに切る。昆布は30分ほど経ったら、火を入れて沸騰直前で昆布を取り出す。
昆布を取り出したら沸騰させ、鶏肉、ニンジン、ゴボウと火の通りにくいものから投入。アクは取り除いて、具材に火が通ってきたらそば米を入れる。醤油と塩で味を調えたら完成。ネギを入れて食べる。
まとめ
かつて戦いに敗れた平家の落人から始まったとされる『そば米雑炊』。今となっては、そばの実の食感を楽しめる貴重な郷土料理でもある。具材もたくさん、お汁までいただける雑炊ということで、栄養価の高いおそばを余すところなく楽しめる料理。