1.旨いそばに美しい水あり。神聖なる水の力をお借りして
首元をピューと通り抜ける風が、痛く感じられるようになった今日この頃。風と一緒に仕事もピューっと片付いてくれたらいいのに。。。叶うこともない妄想を膨らませながら、ランチ蕎麦を探す。さて、西五反田は不動前駅。
『不動前』という名前。実に力強そうだ。私もそろそろ、何が起きても動じない、不動の男になりたいもの。。やや、今日はやけに愚痴っぽい独りごとが多いな。疲れのせいか、寒さのせいか。真面目な話、『不動前』は、『目黒不動尊』に由来する。
不動前駅から歩くことおよそ15分。『目黒不動尊』、またも名を『竜泉寺』というお寺に着く。『目黒不動尊』の歴史は非常に長く、平安時代からと言う。平安時代・・・「泣くよ(794)うぐいす平安京」だから、1200年前!?はー、長すぎて想像すらつかない。こんな長い歴史を持つものだから、関東では、最古の霊場なのだそう。一方で、今日においても、毎月28日に、お寺の境内で、縁日を行っているとか。歴史のあるところほど、『今』という時を大切にする。私もそうでありたい、、、おっと、また感傷的。
ちなみに、『目黒不動尊』の本殿に続く道の途中に、『独鈷の滝(とっこのたき)』という滝がある。昔は、『独鈷の滝』の水には、病を治す力があるとされていたらしい。今でも、『独鈷の滝』にある『水かけ不動明王』に、水を掛けるとご利益があるとか。『不動前』に、神聖な水あり。旨いお蕎麦に、美しい水あり。これは、ひょっとして・・・
2.そば屋『あざみ』について
不動前駅を出て、右に曲る。1分も歩いただろうか。マクドナルドの横に、そば屋『あざみ』を発見!歴史を感じる建物の左手には、これまた昔ながらのショーケース。オヤジの空腹を刺激する、おソバのディスプレイが並んでいる。右手には、日本酒の瓶。これまたオヤジを刺激するが、仕事の合間の昼食である。飲むわけには・・・泣
さらに、店の前では、本日オススメのメニューサンプルが、ドンッと鎮座。この、お店の前のちょっとゴチャゴチャっ
とした感じがたまらない。くるねぇ。ところで、暖簾と看板の文字が読めない。『あざみ』は、読めるとして、その横の『生・・・』。そば?と書かれているのだろうか。私もまだまだ、修行が足りない。
しかし、見るからにそば屋の店構え。ザ、街蕎麦屋。こんな御蕎麦屋さんで、そばを啜りながら、日本酒を飲んだら、さぞ、旨いんだろうな、と思っていると。中からおダシのいい香り。ささ、早速お店入ってみよ。
来たよ、これこれ、これは来た。壁一面に、ザーッと並んだメニュー。一枚一枚、木札に書かれているではないか。40人分ほどあるとみられるテーブルは、ほぼ満席状態。老若男女、みんながお蕎麦をすすっている。お昼時ということもあるが、商売繁盛!ちなみに、そば屋『あざみ』は22時半まで営業しているとの事。不動前駅付近で、22時半まで営業している御蕎麦屋さんは珍しいらしいので、やはり夜も繁盛しているのだろう。
そば屋『あざみ』のフロアを回すお母さんは、とても愛嬌があり、好感。そば仙人が、うようよいそうな雰囲気。オヤジの独りそばにも、もってこい。私はテーブル席につく。落ち着くなぁ、この街そば屋感と、お昼時のバタバタ感。店内は忙しそうなのに、心は落ち着く・・・これぞ、そば好きのための御蕎麦屋。お、卓上には七味唐辛子に加えて、一味ゆずまで。
3.そば屋『あざみ』のおそばは
さぁさぁ、注文しよう。壁のメニューを見まわすのも、街そば屋のいいところ。しかし、満員御礼!間違いなく壁際の御客さんと目が合う・・・若いお姉さんもいるし、目が合うと、困っちゃいそう。ということで、私は手元のメニューを開く。おそばやうどん、丼物のセットや、海鮮メニューなどバラエティに富んでいる。そば屋というより、定食屋として利用している人も多いだろう。
私は迷いながらも、『本日のオススメ』、かつ丼セットを注文することに。寒さのせいか、なんだかお腹も減っていたので、かつ丼で、ガツンと午後からの仕事に備えたい。セットは、うどんかお蕎麦か、さらには、冷たいものか、温かいものを選べるらしい。寒風吹きすさぶ今日。ここはもちろん、温かい、、、いやいや、ソバ好きオヤジはだまって、冷たいおそば!
「大変、お待たせしました。」
10分ほどで、かつ丼セットが到着。混雑しているので、このくらいの待ち時間は許容範囲か。うんうん、なかなかおいしそう。ボリュームもちょうどよいと見える。かつ丼の上に、ちょこっと乗せられた青物がいいね!三つ葉か。見た目がどうしても暗くなってしまうかつ丼。ほんの少し青物を乗せるだけで、華やか、健康にもよさそうに見える。御漬物とおそばの薬味も、新鮮そう。
私は卓上の七味をお蕎麦にササっとふりかけて・・・おっと、七味は色が薄い。白っぽいお蕎麦に、白っぽい七味。白のコラボレーションか!気を取り直して、お蕎麦を一口。白いそば麺のイメージにたがわず、ツルツルしている。時期的に冷たすぎないお蕎麦。角もコシもあまりなく、まるでスパゲッティのよう・・・まさか、これはスパゲッティなのか!そんなはずはないか。ただし、まずいわけでもない。
続いて、かつ丼。敢えて溶きすぎないようにしていると見られる、玉子の白身がプルプル乗っている。果たしてお味は??むむ、見た目よりも、卵が煮えすぎて少し固い。味は甘めで、カツにはしっかりと味がしみている点は、なかなか。おっと、ここで三つ葉の香りがするのはいいね!
お蕎麦もかつ丼もツッコミどころはあるものの、お昼時、西五反田。かつ丼とお蕎麦のセットが800円というのは、やはりコスパ高い!
おソバが健康面で取り上げられる時、さも十割蕎麦が完璧という風に捉えられがちだが、必ずしもそうではない。例えば、必須アミノ酸を補給するという時。お蕎麦には、必須アミノ酸がバランスよく含まれていると言われるが、小麦に多く含まれているものもある。『メチオニン』や『シスチン』は、小麦粉に多く含まれているため、おソバと一緒に摂取すると、さらにアミノ酸スコアの改善が期待できる。ダイエットという側面だけでみると、十割蕎麦が優れているかもしれないが、必須アミノ酸を摂取するという目的であれば、二八蕎麦も悪くない。全国独りそばふりーくのみんなも、十割蕎麦も二八蕎麦もそれぞれ楽しもう。
4.そば屋『あざみ』の個人的なまとめ
そば屋『あざみ』は、不動前駅至近の大衆的お蕎麦屋。そば仙人がうようよいそう。時期的に、冷たすぎないお蕎麦だった。白っぽいそば麺は、角もコシもあまりなく、まるでスパゲッティのような感じ。おそばの香りもあまりなく・・・但し、まずいわけではない。かつ丼も特筆すべき点はないが、ランチセットとしてのコスパは高い。
そば屋『あざみ』は、フロアを回すお母さんに思いやりと愛嬌がある。心が休まり、とても居心地の良い店。オヤジの独りそばには、ぴったりである。
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