注文していたお蕎麦が到着。「いただきます!」ドババババ。と、薬味をお猪口に流し込むのは今日をもってやめていただきたい。旨いそばには旨い薬味と食べ方がある。本記事では、そば通なら知っておきたい、蕎麦の薬味の正しい食べ方をステップ形式で紹介する。
ステップ⒈一口目は薬味をつけずにお蕎麦の香りを楽しむ
“蕎麦とは香りと喉越しを楽しむもの”。お蕎麦好きならば一度は耳にしたことがあるかもしれない。蕎麦の繊細すぎる香りを楽しむには、薬味はおろか、そば汁さえ必要ない。
まずは一口。少量手繰った蕎麦をそのまま食べて香りを楽しんでもらいたい。
ステップ⒉そば汁をお猪口の三分一だけ注いで三分一だけお蕎麦につける
蕎麦汁が徳利に入れられている蕎麦屋であれば、ここで蕎麦猪口に注ぐ。ただしお猪口の三分一にとどめる。なぜなら、蕎麦を食べているうちに薄くなってしまうから。薄くなった時にまた継ぎ足せるよう、初めは三分一だけ注いでおく。
そしてここでも蕎麦は香りが大事。ドバっと蕎麦を汁につけては香りも何もない。蕎麦の三分一だけ蕎麦汁につけて食す。
ステップ⒊ついに薬味の登場!まずはネギをお猪口にIN
三口目にして、ようやく薬味の登場。しかし慌てるでない。薬味皿に乗ったもの全てをお猪口に入れない。まずはネギだけをそっとお猪口にIN。そしてお蕎麦をつけて食べてみる。先ほどとはまた違った奥行きが感じられるはず。
ステップ⒋わさび降臨!お蕎麦に直接付けて
ついに、わさび降臨!ここで多くの人がやりがちなのが、お猪口にわさびを入れて溶かしてしまう事。わさびをそば汁に溶かすと、わさび自体の香りや辛味が飛んでしまう。
これまで大事に大事にしてきた蕎麦汁。それはこれからも変わらない。わさびは食べる分だけ、お蕎麦に直接付けていただく。
旨い蕎麦とわさびなら、これだけでも良し。更にそば汁に付けても良し。味や香りの変化を楽しみながら進めたい。
ステップ⒌薬味は全て食べない
薬味は全て食べてしまわない。残すのか?いや、それは違う。“蕎麦湯のために残しておく”のである。
薬味を残しおくことで蕎麦湯も、そのまま、蕎麦汁割、薬味入りの3種を楽しむことができる。これぞ蕎麦通だ。
まとめ
蕎麦の薬味は少しずつ使うのが正しい食べ方。わさびは蕎麦汁に溶かさずお蕎麦に直接付けて香りを楽しみたい。ただ食事は本来、楽しく美味しくいただきたいもの。正しさばかりに捉われすぎず、自分スタイルを追求するのもまた、“正しい”あり方ではないだろうか。