秋になると、『新そば』という文字が、そば店の前や店内の壁に踊る。ソバ好きとしては、一年で最も楽しみな季節であるし、そば屋としても当然売り時。しかし、収穫したばかりのお蕎麦すべてが新蕎麦かというと、そうでもなく。新蕎麦の定義について調べてみた。
1.新そばとは
新蕎麦とは、秋に収穫したソバのこと。具体的には9月~11月が収穫時期。秋に出回ることから『秋新』とも言う。
なお、一足早く、夏に収穫される『夏新』と呼ばれるお蕎麦もあるが、厳密には新蕎麦とは言わない。北海道産のお蕎麦は、8月から9月に出てくることもい多いが、こちらも夏蕎麦に数えられることが多い。
2.新蕎麦がもてはやされる理由
お蕎麦に限った話ではないが、穀物は基本的に収穫したてがおいしい。味や香りがすぐれているのはもちろんのこと、色まで美しい。夏蕎麦よりも、秋そばの方が、これらもすぐれているため、特に『秋新』と言って、もてはやされている。
ただし、夏蕎麦にも有名なブランドそばもあるため、夏蕎麦か秋蕎麦ということで判断するのも尚早。
ちなみに、秋に収穫したお蕎麦が年を越し、春から夏を迎えると格段に品質劣化を起こす。気温の上昇はもとより、梅雨を含めた湿度の上げ下げなどが原因と考えられている。
まとめ
新蕎麦とは一般的に、秋に収穫されるお蕎麦のことで、『秋そば』とも言う。味や香り、色味などすべてにおいて優れていて、うまいお蕎麦を味わえる。
ソバ好きとして、一年に一回のこの時期を存分に楽しみたい。