そば粉には、一番粉、二番粉、三番粉と、数字のついた粉がある。『一番茶』という言葉があるように、一番粉が最も高級なそば粉のように感じるが果たして?製法や栄養価の面からその違いを押さえておきたい。
1.一番粉とは
一番粉とは、その名の通り、ソバの実を挽いて最初に出てくるソバ粉。玄ソバから外皮を取り除いた『抜き実』を挽くと、中心部にある胚乳が砕けて、最初に出てくる。
これをふるいにかけて、選別したものが一番粉。内層粉に当たり、『御前粉』とも言う。成分のほとんどはデンプンで、白い。一番粉を使ってできたお蕎麦は、透き通りそうなほどに真っ白で、スルスルと啜れるのが特徴。
一方で、一番粉にはタンパク質がほとんど含まれないために、そば打ちが難しい。また、ソバの香りも弱く、栄養価も二番粉以下に比べると、それほど高くない。
一番粉で作ったお蕎麦は『更科そば』とも呼ばれ、日本三大蕎麦屋の『更科』の十八番でもある。
2.二番粉とは
一番粉の後に出てくる粉で、同じくふるいにかけて選別する。中層粉がメインで、一部に内層粉や外層粉も混ざる。また、二番粉を基本として、一番粉や三番粉などと併せて使う。
並粉とも呼ばれ、並粉で打ったものを『並ソバ』と言う。一般的に使われるソバ粉であり、やや白っぽいながらも程よく色が付き、香りも栄養価も高い。
一番粉と二番粉を併せて打ったお蕎麦が『藪そば』であり、これまた日本三大蕎麦のひとつ。
3.三番粉とは
二番粉を取った後に出てくる、外層粉がメインのソバ粉。色は黒っぽく、繊維質が多いため食感は荒いのが特徴。一番粉、二番粉の中では、風味も栄養価も最も高い。
一番粉、二番粉、三番粉全てが含まれるソバ粉を『全層粉』といい、全層粉を使って打ったお蕎麦を今日では、『挽きぐるみ』と言っている。
まとめ
ソバの実を挽くと、内側からソバ粉になって出てくるが、最初に出てくる中心部のソバ粉が一番粉、次に出てくるのが二番粉、最も外側のものを三番粉と言う。
色は一番粉が最も白く、数字が大きくなるにつれて黒っぽくなっていく。香りや栄養価もそれに合わせて、高くなる。