【栄養士解説】とろろ蕎麦で免疫アップ!体を元気にする蕎麦と相性の良い食べ合わせ
皆さんは『食べ合わせ』という言葉を聞いたことがありますか?食べ物は、組み合わせ方次第でその効果を数倍良くしたり、悪くしたりという相乗効果を持っています。
本記事では、食べ合わせとは何か、蕎麦と相性のよい食べ合わせには何があるのか、などを解説していきます。
食べ合わせって何のこと?
食べ合わせとは、言葉の通り『食べ物の組み合わせ』のことです。食べ合わせが良ければ、それぞれの食材の効果を引き立ててくれます。逆に、それぞれの特徴を悪い方へ導いてしまうこともあります。
例えば、ウナギと梅干。ウナギと梅干はウナギの脂と梅干の酸味が刺激し合うため、消化不良をおこしてしまうと言われています。よって、昔からウナギと梅干は一緒に食べてはいけない、と言われているのです。
逆に、とんかつとキャベツは良い食べ合わせです。キャベツに含まれるビタミンUは、胃腸を保護してくれる性質がありますので、とんかつのような油っこいものから胃腸を守ってくれるでしょう。
食べ合わせとは、このようにお互いの良い部分や悪い部分を引き立たせあう食材の組み合わせのことです。もちろん、蕎麦にも良い食べ合わせというものがあります。
蕎麦と相性の良い食べ合わせはこれだ!
とろろ蕎麦で免疫アップ!
やまいも、じねんじょ、やまといもなどを総称して『やまのいも』と言います。やまのいもは、滋養強壮のために漢方薬として使われてきた歴史ある食材です。胃や腸を保護したり、血糖値をコントロールしたり、便秘を解消してダイエットに役立ったりなどの効果が期待できます。
蕎麦はもともとビタミンB群やアミノ酸を含んでいます。ビタミンB群やアミノ酸は、疲れや夏バテの解消に良い栄養素です。よって、やまのいもで免疫をアップし、蕎麦でアミノ酸やビタミンを補給できる食べ合わせなのです。
とろろ蕎麦は冷やして食べても温かくして食べても美味しいですよね。この食べ合わせは、夏でも冬でも美味しく食べる事ができるため、おすすめの食べ合わせです。
蕎麦つゆの塩分を打ち消してくれる?とうがんのとろとろ蕎麦
蕎麦の出汁は、どうしても塩分が高くなりがちです。塩分が高いことから、蕎麦の出汁を飲みたくても飲めない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで注目したいのが冬瓜です。冬瓜は『冬』と書きますが、夏が旬の食材です。冬まで保存しておけることから、この名前がつきました。
冬瓜はカリウムを豊富に含んでいるため、蕎麦の出汁に含まれている塩分の排せつを促してくれます。もちろん、冬瓜を食べたからといって、出汁を全て飲み干してはいけませんが、出汁を少量飲んだことによる塩分を、冬瓜のカリウムで排出してあげることができます。塩分のとりすぎで血圧が高くなることを予防してあげましょう。
また冬瓜には夏野菜らしい、体からほてりを取り除いてくれる効果があります。しかし、近年はエアコンが効いていて夏でも寒いと感じることがあるでしょう。そんなときは生姜を足して体を温めてあげると良いですよ。
冷え性でも大丈夫!?冷やしニラたま蕎麦
ニラには、腎機能を高め、体を温める作用があります。よって、冷え性の人におすすめの野菜です。加えて、ビタミンB1が豊富なのでウイルスの侵入を防いで免疫を高めてくれます。
夏に食べたい冷たい蕎麦は、温度が低いので体を冷やしがちです。ニラを入れて体を温めてあげましょう。ニラは薬膳の世界では、寒さを取り除いて冷えによる食欲不振を改善してくれると言われています。
さらに、『ニラ+蕎麦』にたまごを加えてあげましょう。たまごは、アミノ酸のバランスが非常に優れている、完全食に近い食材です。しかし、たまごには食物繊維があまり含まれていません。蕎麦は食物繊維が豊富ですから、完全食に近いたまごの欠点を補ってあげることができるのです。
『蕎麦+ニラ+たまご』の冷やしニラたま蕎麦。それぞれの欠点を補いあうことができる、おすすめの食べ合わせです。
蕎麦湯に黒砂糖を入れてミネラル補給スイーツに
蕎麦湯には、ビタミンB群や水に溶けるアミノ酸などが溶け出しています。ここに少量の黒砂糖を入れると、ミネラルの補給ができます。黒砂糖には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅などのミネラルが非常に豊富に含まれています。また、ビタミンB6やビオチンなども含まれています。
食後は甘いものが欲しくなりますから、蕎麦湯に黒砂糖を加えて蕎麦の栄養とミネラルを補給できるスイーツを楽しむと良いですね。蕎麦湯に黒砂糖を加えるのは珍しい飲み方ですが、蕎麦焼酎に黒砂糖を入れて飲んだことがある人は多いのではないでしょうか。蕎麦と黒砂糖は、味の面でも意外と相性が良いですよ。
食べ合わせはまだまだ種類が豊富にあります!
蕎麦の食べ合わせについていくつかご紹介してきました。食べ合わせという考え方は中国古来の薬膳の考え方に始まる、非常に歴史が深いものです。一方で、食べ合わせに関する書籍は毎年出版されています。このことから、まだまだ研究がされていく分野であることが分かりますね。
今回の記事では、蕎麦と相性のよい食べ合わせをいくつかご紹介しました。蕎麦と相性の良い食べ合わせはまだまだたくさんありますので、今後もどんどんご紹介していきますね。
(参考)
西東社「薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖」
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/mucin/