旨いお蕎麦に必要な要素とは何だろうか。
良いソバの実、高い製粉技術にそば打ちの腕前、ゆで方、水切り・・・こうした工程は多くの人が思いつくのではないだろうか。これらの工程に加えてもうひとつ、忘れてはならない工程がある。
それが『篩(ふるい)』。
簡単そうに見えて、重要な篩の工程について述べていきたい。
1.篩(ふるい)とは
篩とは、その名の通り製粉したソバ粉を篩にかける作業のことをいう。正確には、製粉の仕上げの工程こそが、篩である。
2.製粉方法別、篩の使用目的
石臼挽きか、ロール製粉かによって、篩の使用目的は異なる。
石臼挽きの場合は、一般的に挽きぐるみとなるため、篩は殻などそば打ちに不要なものを除去するために行う。ただし、あえて篩にかけない『無篩』で、そば打ちをするお店もある。
一方で、ロール製粉の場合は、一番粉や二番粉、三番粉などを分別するために行う。
3.篩の種類
篩は、欲しいソバ粉を得るために、目の大きさによって使い分ける。篩の目の大きさの単位を『メッシュ』という。
メッシュは、1インチ(およそ2.54cm)の幅に、何本の糸があるかによって単位が決められている。1インチ間に40本あれば40メッシュ、60本あれば60メッシュ。
数字が大きければ大きいほど、目が細かいので、より小さなソバ粉が選別されることになる。大きなメッシュで篩にかけられた蕎麦粉の特徴は、微粒子で揃うため、そば打ちがしやすいこと。
小さなメッシュで篩にかけられた蕎麦粉は、荒いソバ粉も入るため、そば打ちに高い技術を要するが、風味が豊かになる。
まとめ
篩(ふるい)とは、製粉の最終工程で、ソバ粉の性質を決める大変重要な作業。篩の目の大きさはメッシュという単位で表すが、メッシュが大きいほど微細で揃った打ちやすいソバ粉ができる。
メッシュが小さいと、荒いソバ粉も混じってそば打ちが大変だが、風味は高い。