お蕎麦は、粉の作り方や使い方から店主のこだわりが見える食品。ソバ切りの中で、最も原始的な粉が『全粒粉(ぜんりゅうふん)』。全粒粉と似た言葉に、『全層粉(ぜんそうふん)』がある。
実のところ、近年、両者は同じものとして扱われているのだが、本来は別のもの。違いを明確にしている蕎麦屋に出会っても困らないよう、蕎麦好きなら、両者の違いを押さえておきたい。
1.全粒粉とは
全粒粉とは、収穫して殻が付いたソバの実、つまり玄蕎麦を挽いてできた粉の事を言う。殻ごと挽くので、見た目は黒く、ソバ特有の香りも強い。
玄ソバのまま全て挽くことから、いわゆる「挽きぐるみ」と呼ばれる。
2.全層粉とは
全層粉とは、玄ソバの外皮を剥いてから、挽いたもの。甘皮がついた「丸ヌキ」の状態で挽く。全層粉も見た目は比較的黒いお蕎麦で、香りも強く、栄養価も高い。
本来は、全層粉は「挽きぐるみ」ではないが、最近では全層粉で作ったお蕎麦も「挽きぐるみ」という蕎麦屋が増えている。
まとめ
全粒粉は玄ソバから挽いたもの、全層粉は外皮を取り除いて丸ヌキで挽いたものを指す。より収穫した時の状態に近い、”粒”で挽いたものが全粒粉。
元々は、全粒粉で作ったお蕎麦のみを「挽きぐるみのお蕎麦」といったが、最近では全層粉で作ったおソバも「挽きぐるみのおソバ」と言うお店が増え、両者の違いは曖昧になっている。
しかし、ソバ好きなら両者の違いを知った上で、お蕎麦を楽しみたい。