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縄文時代にはすでに食べられていたことがわかっているおそば。お蕎麦は日本人の文化や風習に深く根付いている。
お蕎麦が『ソバ切り』として食べられることが一般的になった江戸時代以降、その”長さ”や”伸びること”から、縁起物として扱われることも少なくなかった。今でこそ、『引越し蕎麦』や『年越し蕎麦』など、行事に食べるおそばは限られたものになっている。しかし、かつては『正月蕎麦』にはじまり、『雛蕎麦』『土用蕎麦』『夏至蕎麦』など、行事につけてお蕎麦をたべる風習があった。
そのひとつが、『縁結び蕎麦』。縁結び蕎麦もまたやはり、「細く長く続く」ことから、縁起がよいとされた。昔は、婚礼の際に、仲人が付き添って嫁側から婿側へ、また逆に婿側から嫁側に御そばを持参したという。ただ、地域色があり、一部の地域ではソバ切りの「切り」という言葉を嫌い、うどんを使うところもあった。
『縁結び蕎麦』が食される地域として有名なのが、出雲大社で有名な島根県の出雲地方。出雲といえば、郷土そばの『割子そば』が有名だが、その割子そばの品書きのひとつに『縁結びそば』を掲げているお蕎麦屋もある。
また、出雲大社の周辺の御蕎麦屋の中には『縁結びセット』と称して、おそばに、”ご縁”を結ぶ五円玉や、おみくじが付いてくるメニューを提供するところもあるのだとか。
縁結びが必要かどうかは別として、郷土そばと遊び心を同時に味わうのもおもしろい。