角八庵は五反田駅にあるお蕎麦屋。
普通にシンプルだが、基礎技術がしっかりしている。丁寧なお蕎麦で、コスパ高し!外回りで忙しく、時間のないお昼に独りでも行ける落ち着いたお店。
1.駅名が住所を変えた『五反田』
五反田界隈での仕事は終わらない・・・。そして、五反田でのそば道中もまだまだ終わらない。五反田には、いったい何軒お蕎麦屋さんがあるのやら。今日も五反田駅の東口側を攻めてみよう!
今でこそ、地名として一定のステータス?を得た『五反田』。しかし、実は五反田駅が出来た1911年当時は、地名で言うと『大崎』だったとか。しかし、既にすぐ近くに『大崎駅』があった。
ということで、ちょうど街が出来つつあった五反田の名をとって、『五反田駅』が誕生したらしい。そんな歴史を持つ五反田は、駅名に合わせて、地名が変わってしまったという、珍しい地でもある。
そして、五反田駅の東口側と言えば、かの有名な歓楽街・・・五反田で撮られた写真で、人生を変えちゃった人も少なからず!?
2.そば屋『角八庵』について
外回りの限られたお昼の時間。私は早足で、目的のお蕎麦屋さんへ。五反田駅東口から、八ツ山通りを北品川方面へ。5~6分ほど進んだところで、大崎駅方面への横道に。旧ソニー通りから、大崎方面へと言った方がわかりやすい?
いずれにしても、中規模のビルが並ぶ目立たない場所にあり、お店自体もひっそりと佇んでいる。その名も、そば屋『角八庵(かどはちあん)』。
パッと見た感じは、大衆向けのお蕎麦屋さんといった雰囲気。玄関の左脇には青い旗に『そば・うどん』の文字。そして、緑色の暖簾。み、みどりいろ??食べログで見た時は、白や紺色の暖簾だったような・・・季節で変えているのか。それとも結構な頻度で、暖簾を替えているのか。
ガラガラ~っとドアを開けて入店すると、ずらりと並ぶテーブル。ざっと30~40人は座れそう。
テーブルは、2人掛け用、4人掛け用、5人掛け用とあるので、独りで行っても、大人数で行ってもよさそうだ。カウンター席はないが、殺風景な店内は、独りでゆっくりおそばをすするには、ある意味向いていそう。全国独りそばふりーくのみんなにもこの内装はおすすめできる。
そば屋『角八庵』の雰囲気はやはり大衆向けの食堂といった感じ。BGMはテレビの音。11時~19時という営業時間も、ビジネスマンにはうれしい。
この日は、少しお昼時を外したこともあって、お客さんはまばらだったが、これだけ座席があるということは、お昼時は混雑するのだろう。外の看板に『SINCE 1950』とあったが、60年以上続くソバ屋は伊達じゃない!
そば屋『角八庵』は、五反田駅、大崎駅、どちらからでも、歩いて10分ほどかかる立地でありながら、これほどまでに続くと言うことは、地元の人に愛されたそば屋なのだろう。
3.そば屋『角八庵』のおそばは
そば屋『角八庵』のすっきりとした店内の壁に貼られたメニュー。お蕎麦にうどん、丼物といったメニューが多い。メニューを見てもやはり、そば屋というよりは、「うどんや丼物も食べられる地域のお蕎麦屋さん」。
価格は、周辺の飲食店の相場と比べると、100円くらい安いだろうか。これで量がしっかりとあって、おいしければ、そば屋『角八庵』は、かなりコスパのよいお店となりそう。
それでもお蕎麦にはこだわっているようで、手打ちそばらしい。『かけそば』と『せいろそば』は580円で食べられる。午後からの仕事に備えて、私はキリっと『冷おろしそば』を注文。680円、安い!
5分ほどして、お蕎麦が到着。なんだか、器がかわいい。そばつゆは、赤い花柄の器に入れられている。
お蕎麦は、綺麗に切られていて揃っている。ソバ麺は細め。ピリリと一味を振りかけて、さっそく一口。意外にも、そば麺はやわらかく、モチモチ。
一方で、コシもあって、噛むほどに味が沁みわたる。のど越しを楽しむタイプのお蕎麦ではないが、香りも高く、優しい味が、キリリと辛めのそばつゆとよく合う。普通にシンプルだが、基礎がしっかりしている丁寧なお蕎麦。
ただ、そば粉の割合が高いのだろうか。少し、そば麺が切れやすい。あと、店頭にその日の蕎麦の産地が表示されるのは好感度大。
お蕎麦には、良質のたんぱく質が含まれているが、何が“良質”なのか。おそばのたんぱく質が良質とされるゆえんは、『必須アミノ酸』がバランスよく含まれていることにあると思う。
必須アミノ酸とは、その名の通り、私たち人間、いや動物に“必須”のアミノ酸。体内で作り出すことはできないが、必須アミノ酸がないと生きていけない。
つまり、必須アミノ酸は食べ物から摂取しなければならない。しかも、必須アミノ酸の厄介なところは、一度の食事で、すべての必須アミノ酸をバランスよく摂取しないといけないところ。
例えば、人間の必須アミノ酸は、トリプトファン、リシン、メチオニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの9種類とされる。
この中の8種類が一度の食事に充分に含まれていたとしても、たったひとつ含まれない、もしくは微量しか含まれないと、そのほかの必須アミノ酸も、微量しか吸収されない。
必須アミノ酸は、こうした特殊性を持つので、『アミノ酸スコア』という値で、評価される。そして、気になるお蕎麦のアミノ酸スコアは92。大豆の100には、さすがに及ばないが、お米の67、小麦の37と比べると、お蕎麦は非常に優れたアミノ酸スコアを持つ食品。
4.そば屋『角八庵』の個人的なまとめ
そば屋『角八庵』は、五反田駅や大崎駅から歩いて10分ほどのところにある、地域に愛されたお蕎麦屋さん。
創業60年を超える大衆そば屋は伊達じゃない!そして、お蕎麦も美味しい。お蕎麦はシンプルなものの、基礎がしっかりしていて、丁寧。コスパ高し!正直、また行きたい。
そういった意味では、そば屋『角八庵』は、まさに五反田駅東口の勇。ここの蕎麦を食べなければ五反田のお蕎麦は始まらない。外回りで忙しく、時間のないお昼に独りでも行ける店、角八庵。
良いと思います。