せっかく来たら、どうしても食べたい、真っ黒なお蕎麦、音威子府(おといねっぷ)そば
一人旅で北海道へ。日々、家族のため(いや、会社のため?)、せっせと働くオヤジ。たまには羽をのばして、一人旅をしたってバチは当たらないだろう。。。
極寒前の北海道。とはいっても、そこはやはり北海道、寒い。しかも今回来たのは、音威子府(おといねっぷ)という、北海道の中でも北部に位置する場所。旭川よりもさらに北にある村。
1.北海道音威子府村とは、
音威子府というインパクト大な地名はやはり、アイヌ語に由来する。『オ・トイネ・プ』というのが元々の音の区切りのようだ。
Wikipediaによると、『オ・トイネ・プ』は、『河口・土で汚れている・もの』という意味らしい。
北海道内で2位の長さを誇る天塩川と音威子府川が合流する場所は、泥で濁っていたためにこのような名前がついたとか。。。
ちなみに、音威子府村は、北海道内で一番人口が少ない村で、2015年3月31日時点の住民基本台帳によると、752人との事。
私の地元の中学校の全校生徒数並みの人口とは・・・あと、夏場は気温30℃、冬場は気温-30℃に達するらしい。東京育ちのオヤジにはとても耐えられそうにない。
さてさて、音威子府村の特産品として、ようかん、味噌、木工芸品などがあるが、私が注目したのは俄然、『音威子府そば』!
村内にある畠山製麺がつくる蕎麦は、田舎そば特有の真っ黒なソバ麺で、見る者を惹きつける。これは、絶対に自らの舌で確かめねばならない!
音威子府そばは、音威子府村内のいくつかのそば屋で食べられるらしいが、食べログで『3.35』の評価の『一路食堂』に、私はなにはともあれ、早速向かうことにした。
北海道北部から国道40号線を東進し、音威子府駅を正面に見る丁字路を旭川方面へ右折して車で走ることおよそ2分。国道40号線沿いに、白く四角い建物が見える。
建物の上部には大きく『一路食堂』の文字。
入口向かって左側の壁には、やや激しめの筆遣いで『音威子府そば』の赤い文字。そして、その横には『秘伝 黒いそば』とある。
少し色のあせたオレンジ色の暖簾と、無機質な出で立ちが、そば屋『一路食堂』の歴史を感じさせる。
私は、はやる気持ちを抑え、店の前の砂利の駐車スペースに駐車した。10台は駐車できるであろう悠々としたスペースは、慣れない旅行者にもうれしい。
暖簾をくぐり、引き戸を開け、綺麗に掃除された店内へ。カウンター席はないが、向かって左側に小上がり席、右側にテーブル席があり、独りでお蕎麦を堪能したいオヤジも利用しやすい。
30席くらいはあるが、お昼の混雑時は待つことも少なくないのだとか。
そば屋『一路食堂』は歴史を感じさせる外観の通り、大正15年創業の超老舗。畠山製麺の娘さんが営むのが『一路食堂』であり、まさに本家本元の音威子府そばが食べられるわけ。
なお、『そば屋』ではなく、『食堂』という看板を掲げるだけあって、『一路食堂』ではおソバだけなく、音威子府うどんに旭川ラーメン、カレーライスや親子丼まで食べられるというメニューの充実ぶり。
国道沿いにあるし、まるで一昔前のドライブインだな・・・
そば屋『一路食堂』の営業時間は11時45分~19時。休業日は月曜日のことが多いようだが、まちまちなこともあるので、行く前に01656-5-3880に電話して確認したい。
3.そば屋『一路食堂』のお蕎麦とミニ豚丼
真っ黒な音威子府そばを楽しむなら、もりそばだろう、ということで『もりそば』を『炭火焼き風ミニ豚丼とセット』で注文した。
極寒前とは言え、寒い北海道でもりそばを食すとは・・・、しかし全国の独りそばふりーくのみんななら、このおソバに対するこだわりをわかってくれるはず!
ということで、もりそばとミニ豚丼が運ばれてきた・・・!?・・・黒いっ!!いやいや、黒いってもんじゃない。グググッと黒い。
『畠山製麺』の焼印が押されたせいろの茶色が、明るく見えてしまうほどに黒い。そして私は、黒々としたお蕎麦をすする。
少し太めのお蕎麦は、歯ごたえがあるものの、見た目のインパクトとは裏腹に、お蕎麦にはクセがなく思いのほか、スルスルとのどを通る。
お蕎麦の黒さの秘密は、やはり、お蕎麦を殻つきのまま製粉しているから。
だから、お蕎麦の香りも強く出る。しかし、『一路食堂』ではおそばを打った後に3日寝かせるらしい。そのため、田舎そばでありながら、クセがないのだろう・・・。しかし、妙に黒い。
そういえば、最近お蕎麦が健康食として注目されているが、お蕎麦が持つ栄養素のひとつが『ルチン』。
ルチンは、健康にいいとしてすでに定着しているポリフェノールの一種で、高血圧や糖尿病、認知症などの予防に効果があると言われている。
さらに、ビタミンCの働きもよくしてくれるのだとか。つまりおそばは、そろそろ生活習慣病のことを、本気で考えなければならないオヤジにはぴったりの食べ物である。
そして、ルチンは白い更科蕎麦よりも、『一路食堂』で提供されるような、黒い田舎そばの方にたくさん含まれているらしい。
なぜなら、白いおそばでは取り除かれる甘皮なども挽いておそばをつくるから。
スススと、のど越しがよい白いおそばもいいが、人生折り返し地点で健康が気になるオヤジには、黒いおそばも魅力的。とはいえ、セットで食べたミニ豚丼のカロリーが気になるのはここだけの秘密・・・。
4.音威子府そば『一路食堂』の個人的なまとめ
見た目のインパクト大の、『一路食堂』の真っ黒なおそばは、話題づくりにはもってこい。
おソバ好きオヤジとしては、押さえておきたいおそばでもある。『音威子府そば』という響きも、印象的で個人的には心地よい。
黒々としたおそばの外観に圧倒されて、味のあまりの普通さに驚くかもしれない。・・・が、旅行や出張などで、北海道の旭川方面を訪れることがあれば、食べておきたいおそば。