お蕎麦豆知識

そば屋に『庵』がつく店名が多いわけ

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そば屋の名前を見ていると、やはり和風が多い。中でも、『庵』とつくそば屋が少なくない。実はこれにはわけがある。

1.『庵』とは

『庵』は、『いおり』とも『あん』とも読む。『庵』とは、元々は建物のことを言う。風流人や僧侶、隠居した者など、ちょっと世間一般からは距離を置いた人が住む、質素な小屋を指した。有名な庵として、正岡子規や夏目漱石が下宿していた『愚陀佛庵』、松尾芭蕉が滞在したとされる金福寺(こんぷくじ)の『芭蕉庵』がある。いずれも木と障子と畳以外は何も使っていないかのような、シンプルな造りである。無駄なものがなく、創作活動には、確かに向いているかもしれない。

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2.そば屋に『庵』が付けられるようになった理由

江戸中期、浅草に『称住院(しょうおういん)』という寺があった。さらに、『称住院』の敷地内には、『道光庵』という支院があった。『道光庵』の庵主は、信州出身。蕎麦打ちの名手で、最初は自分たちが食べるためにお蕎麦を打っていた。しかし、そのうち来訪者にもお蕎麦をふるまうようになる。するとたちまち、評判となり、檀家以外の人たちまでが押し寄せるようになった。その評判は、1777年の『江戸評判記』で、本業のそば屋を差し置いて、1位の評価を得てしまうほど。

庵主は、そば打ちに追われ本業を怠るようになり、『称住院』もそば屋か寺なのかわからないくらい、収拾がつかなくなってしまった。そして1786年ついに、寺の和尚が動き出す。『不許蕎麦(そばをゆるさず)』という碑を立てて、おそばの振る舞いを禁じたのである。その碑は1855年の安政江戸地震で壊れてしまったが、1928年に地中から見つかった。そして現在では、『称住院』の移転先である世田谷区北烏山の門前に、再び碑が建てられている。

しかし、『道光庵』のおそばが与えた影響は大きく、あやかろうとする蕎麦屋が続出した。1787年に発表された、名店案内『七十五日』では、麺類を扱う65店のうち4店が『○○庵』となっている。その名残もあってか、現在でも『○○庵』を名乗るそば屋は多い。

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