高円寺での梯子蕎麦2軒目は、東京高円寺阿波踊り発祥の地にある御蕎麦屋『そば茶屋』。雰囲気よしのお店ながら、そこで働くお母さんたちの雰囲気から期待していなかったが・・・これがうまかった。ぎばさ蕎麦とうずら卵の相性も良く、食べやすかった。
1.主人は東京高円寺阿波踊りの猛者
久しぶりに、蕎麦屋を梯子!おそばを食べて元気になります。高円寺の人気店『信濃』に続いて、2軒目も高円寺で。
さてさて、高円寺といえば『東京高円寺阿波踊り』が有名。2軒目はその高円寺阿波踊り発祥の地『パル商店街』の南端にある御そばやへ。何でも、そこの主人は第一回の高円寺阿波踊りから参加しているという猛者?らしい。聞くところによると、もう80歳を過ぎているとか。
そんな元気な主人が切り盛りするお蕎麦屋とは?
2.『そば茶屋』について
JR高円寺駅南口から歩いて5分ほど。パル商店街にある『そば茶屋』。ルック商店街との境目あたりに位置する。
決して広い間口ではないが、時代劇に出てくる団子屋のような、赤い腰掛と和傘は抜群の存在感を放つ。ソバ好きはもちろんのこと、和風が好きな人なら、思わず目や足を止められずにはいられない、風情ある店構え。実際、この雰囲気に誘われてか、外国人のお客さんも多いようで。
ちょうど和傘の後ろのガラスには、大きな木製の短冊。主人のお手製なのか、味のある文字で品書きが書かれている。見たところ、『高円寺そば』や『街道そば』など一風変わったメニューが多い。それにしても、ベンチの赤味といい、短冊の茶色といい、日に焼けて若干色落ちしたような年季の入り具合いがたまらなくいい。
さっそく、ガラガラと戸をあけて店内へ。なんと、店内にも傘がある!そして、壁一面に描かれた水墨画、雪洞の照明、飛び石を模した土間・・・実に雅な雰囲気のお蕎麦屋、『そば茶屋』。
小上がり席、テーブル席、そしてオヤジの独りソバに最高の大きな円卓。通常ならここは円卓・・・というところだったが、開店まもなく他のお客さんもいなかったので、テーブル席へ。
厨房には、例の80歳を過ぎたソバ仙人。そしてフロアを回すお母さんたち。居心地はよさそう。ちなみに、『そば茶屋』の営業時間は、 11時30分~16時と17時30分~20時。最高で36席あるというから、ソバ仙人のエネルギーといったら半端ない。
3.『そば茶屋』のお蕎麦は
さて、珍しい品書きに多いここ『そば茶屋』。私は、秋田名物のぎばさそばを頂く。
ぎばさは一般的には、アカモクと呼ばれるスーパー海藻で、ワカメやモズクと比較するとその栄養価がすごいらしい。鉄分はわかめの5倍も含まれるとか。秋田では昔から食べられているそう。パッと見はめかぶみたいな感じで、味もあまり変わらない。
待つこと数分。栄養満天のぎばさ蕎麦が到着。すり鉢に入ったぎばさとうずらの卵が、ツヤツヤと光っている。早速、一口・・・う、うまい。
失礼だが、当初は働いているお母さんたちの雰囲気から、ちょっと富士そば系が入っているかと思ったら、そこまでお蕎麦もモッサリとしているわけでもなく、むしろうまい。つなぎ多めと思われるソバ麺は細く、ぎばさも絡んでスルスルといける。うずら卵とぎばさとの相性も良く、食べやすかった。
一方で、つけ汁はちょっと濃いめか。しっかり味がついているので、蕎麦湯との調整時には注意が必要。全体としてこれで750円なら、コスパ的にはいい。
ところで、食べたことでスーパー海藻ぎばさが気になったので、改めて調べてみると。アカモクことぎばさ。秋田の名産品として知られる。ネバネバの食品には健康よいものが多いが、ぎばさもネバネバ。しかも、すごくネバネバ。あまりのネバネバゆえに、市販する際は湯通しした上に、切り刻んでいるとか。このネバネバの正体こそ、『フコイダン』と呼ばれる成分で、抗がん作用や抗アレルギー作用を持つとされている。
さらに、鉄分やミネラル、ポリフェノール、ビタミンKの含有量も多く、肝機能や免疫力のアップ、腸の働きを整える、骨粗しょう症の予防といった作用に注目が集まっている。そして驚くことなかれ。これだけ栄養価が高くて、カロリーゼロという、信じられないような食品だった。
このぎばさと御蕎麦のコラボレーションを健康食と言わずしてなんと言うか。まったく、おそろしいものに出会ってしまった。全国独りそばふりーくのみんなにも、ぎばさ蕎麦はぜひ一度、食べてもらいたい。
4.『そば茶屋』の個人的なまとめ
『そば茶屋』は、JR高円寺駅南口から歩いて5分ほどのところにある、和傘が雅な御蕎麦屋。
お店の雰囲気から商店街だし、そんなに期待してなかったら意外にうまい。お蕎麦もモッサリとしているわけでもなく、細いソバ麺がスルスルといけて、むしろうまい。うずら卵とスーパー海藻のぎばさとの相性も良く、食べやすかった。
コスパもよく、珍しい品書きが多いので、また来てみたい。