1.天気のいい日は、.ポレポレ行こう
日曜のお昼、ちょっとした用事を終え、家族連れで人気のお蕎麦屋へ。ここは神奈川県川崎市。本日お目当ての蕎麦屋『大塚や』の最寄り駅、東急田園都市線『溝の口駅』は、渋谷から急行で、14分ほど。休日でも気軽に行ける距離。駅周辺にはデパートや大型施設が集中。その中には、大きな商店街も。商店街の名は、『ポレポレタウン』。ポレポレ・・・なんと気の抜けた響きかと思いきや、ちゃんと由来があるらしい。『ポレポレ』とは、アフリカ東部で使われているスワヒリ語で、『ゆっくり』という意味だとか。
天気のいい日曜のお昼。そんな日は、家族と一緒に『ポレポレ(ゆっくり)』と行こうか。
2.蕎麦屋『大塚や』について
溝の口駅から、幹線道路沿いを、登戸方面へ歩いて5分ちょっと。駅から少し距離はあるが、ちょっとした運動にもなる。ある意味、ダイエットおやじの味方!?ただ冬のこの時期は、やっぱり寒い。家族と会話しながら、心を温めよう。すると、青いのぼりが見えてきた。『うどん・そば』『うどん・そば』と、威勢よく4つも並べられている。
道路に面した4階建てのビルの1階。あまりおそば屋らしくない、鮮やかな青タイルの外観。しかし、どこか懐かしさも覚えるような、独特の老舗感も醸し出している大衆蕎麦屋。灰色の暖簾には『生・・・』。一体、なんと読むんだ?よくよく見ると、『生蕎麦(きそば)』と書いてある。こういう崩した書体、なんて言うんだったけな。。。生蕎麦とは、小麦粉などの混ぜ物が少なくそば粉だけで打った蕎麦。つまり、十割そばのことを言う。
ちなみに。溝の口駅の周りには、立ち食いそばのお店が1店舗しかないとか。そういった土地柄もあって、 『大塚や』は地元では人気店のよう。人気のお店と、生蕎麦・・・さらに期待が高まる。
暖簾をくぐり、ガラガラとお店の引き戸をあけて、中へ。店内はカウンター4席、テーブル16席、座敷16席。全部で40人ほど入れるといったところか。年季の入った、テーブルと椅子からは、お店の歴史が感じられる。座敷には、ちゃぶ台のような円卓に、これまた丸い青の座布団。昭和の居間が、今、ここに!なんて・・・茶色の壁には、白い紙に書かれたメニューが、ずらりと並ぶ。頻繁に貼り替えるのか、まぶしいほどメニューの短冊は、真っ白。こういった雰囲気の大衆食堂は、色のあせた短冊メニューがデフォルト!というおやじの常識を覆した。
見たところ、厨房の中にはお母さん1人。お店のお母さんと、孫と見える2人のやり取りも、微笑ましく。思わず、「ただいま〜」と言いたくなるような、ほっとできる空間。これが渋谷駅から15分ほどのところにあるのだから、驚き。ゆるりとくつろぎ、ゆるりとおそばをすすれそう。常連さんも多いに違いない。
蕎麦屋『大塚や』の営業時間は、お昼が11:00から16:15まで。夜は17:30からで、21:45に閉店。火曜日が定休日。
3.『大塚や』のお蕎麦は
席に座り、メニューを見てみる。お蕎麦にうどん、ラーメン。日替わりに定食、おつまみ、ドリンク。魚のメニューも多い。そして、壁の短冊メニューたち。これだけの品数を、たった一人で回していると見える、お母さん。只者じゃないっ!
こんな寒い日は、温かいお蕎麦でも・・と言いたいところだが、寒い季節こそ、ピリリと『冷やしおろし』を注文。なんだか語呂がいいな、『冷やしおろし』。しばらくして、おそばが到着。結構、ボリューミー。
ではでは、まず、蕎麦を一口。むむ、思ったより固い。お店の雰囲気から、緩めの優しいお蕎麦と思っていたが、サクサクした軽めのお蕎麦。ラーメンで言うところの、『バリカタ』と言ったところか。しかし、意外といける!昔ながらの外観や内装のおそば屋は、おソバが緩いというのは、完全なる思いこみだった。さらに、蕎麦をズズズっと啜る。おっと、ちょっとワサビが鼻にきた。ワサビも本物を使っているようで、美味しい。ツーンと鼻にくる辛味に、さらに食欲が増す。ただ、お蕎麦一本、一本が長くちょっと食べづらい。それにしても、このお蕎麦の量、味、価格・・・コスパは高い!
お蕎麦にはでんぷんに含まれているが、他の穀物に含まれるでんぷんとはちょっと性質が異なる。例えば、消化吸収の早さ。お蕎麦のでんぷんは、ジアスターゼによって、早く消化吸収される。だから、おそばをお腹いっぱいに食べても胃がもたれにくい。暑い日や疲れている時に、お蕎麦を食べたくなるのは、まさに人間の本能なのだろう。なお、小麦粉などのつなぎの割合が増えるほど、消化に負担がかかる。全国ひとりそばふりーくのみんなも、ちょっと疲れている時や、二日酔いの日には、奮発して十割蕎麦を食べよう!
4.そば屋『大塚や』の個人的なまとめ
『大塚や』は、溝の口駅から歩いて5分ちょっとのところにあるおそば屋さん。駅から歩くが、歩く価値ありの人気店。大衆食堂と言わんばかりの、昔ながらの外観。どこか懐かしさを感じる店内。てっきり緩めのおそばかと思ったら、、サクサクした軽めのお蕎麦だった。若者向け?意外といける。ワサビも本物を使っており、美味しかった。しかも、値段も押さえ目で、お蕎麦の量もふまえるとコスパは高い。お料理はもちろん、お店の雰囲気やお母さんの人柄もあってか、常連客も多い。
そば屋『大塚や』は、溝の口駅からやや距離はあるものの、おすすめできるお蕎麦屋。次回は金土日祭日限定の、十割せいろに挑戦したい。